
メイン食材として欠かせない魚。様々な種類がありますが、たんぱく質がどれくらい含まれるか知っていますか?
この記事では、魚や、いか、えび、ツナ缶や練り物などの魚介類のたんぱく質量についてご紹介します。
EPAやDHAなどの脂質や、栄養を余すことなく摂るコツについても解説します。
魚に含まれるたんぱく質量1)2)
魚に含まれるたんぱく質は、必須アミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質です。
6種類の魚の100gあたりのエネルギー、たんぱく質、脂質の量をご紹介します。
白身魚(たら・かれい・さけ)
白身魚は低脂肪で高たんぱく質なのが特徴です。
たらは特に脂質が少なく消化・吸収に優れています。
かれいにはたんぱく質の一種であるコラーゲンが豊富に含まれます。血管を丈夫にして弾力を与えたり、皮膚や骨などを強くする働きが期待されています。
さけはアスタキサンチンという色素により身が赤いですが、白身魚に分類されます。ビタミンDが含まれ、カルシウムの吸収を促進する働きがあります。
赤身魚(あじ・さば・まぐろ)
赤身魚には白身魚より鉄分が多く含まれます。
あじやさばなどの青背魚には不飽和脂肪酸のEPAやDHAが多く含まれます。EPA、DHAには中性脂肪抑制の働きや血栓の予防効果が確認されています。刺身で食べたり、煮付けにして煮汁も一緒に食べると、EPA、DHAを余すことなく取り入れることができます。
まぐろのような大型の青背魚は、部位により栄養素が異なり、赤身にはたんぱく質が豊富です。冬から春までの旬の時期は脂質が多く、高エネルギーでEPA、DHAも豊富です。刺身などで赤身と脂身を適量食べると、たんぱく質と脂質をバランスよく摂ることができます。
魚介類に含まれるたんぱく質量1)2)
いかやたこなどの魚介類にもたんぱく質は豊富に含まれます。
4種類の魚介類の100gあたりのエネルギー、たんぱく質、脂質の量をご紹介します。
いかやたこ、えびは高タンパクで低脂肪なのが特徴です。タウリンを豊富に含み、血中コレステロールの上昇を抑制する働きがあります。
あさりやしじみなどの貝類にもタウリンが豊富に含まれます。汁物にすれば溶け出した栄養素もそのまま飲むことができます。
魚加工品に含まれるたんぱく質量1)2)
缶詰や練り物などの魚の加工品にもたんぱく質は含まれます。
5種類の加工品の100gあたりのエネルギー、たんぱく質、脂質の量をご紹介します。
ツナ缶は油漬けと水煮でたんぱく質量はそれほど変わりませんが、エネルギーと脂質は大きく異なります。カロリーが気になる方は、水煮を選んだり、油をきって使うと良いでしょう。しかし、油漬けのオイルには旨みが溶け出しているため、調理油の代わりに適量使用するのもおすすめです。水煮の汁にも旨みや栄養素が溶け出しているため、そのまま使うと余すことなく栄養を摂ることができます。
サバ缶は高たんぱくでEPAやDHAなどの脂質も含みます。また、骨ごと食べられるため、カルシウムを豊富に含むのも特徴です。煮汁にも栄養が含まれているので、汁ごと料理に活用するのがおすすめです。しかし、塩分を含むため、摂りすぎには注意し、他の料理の味付けを薄めにして調整しましょう。
かまぼこや魚肉ソーセージもたんぱく質が多く含まれます。調理が不要で手軽に食べられますが、塩分を多く含む場合があるため、食べすぎには注意が必要です。たんぱく質摂取のメインにするのではなく、副菜として適量取り入れましょう。
魚をたんぱく質補給に活用しよう3)
近年、日本人の魚離れがすすみ、1人あたりの消費量は10年間で3割も減少していると言われています。魚や魚介類、魚の加工品にはたんぱく質が豊富なだけでなく、良質な脂質やビタミン、ミネラルも含まれます。
缶詰などを上手に活用しつつ、毎日の食卓に積極的に魚料理を取り入れましょう。
参考文献
- 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).
- 吉田企世子. あたらしい栄養学.高橋書店,2016,p.64,72,75,76,78~80
- 農林水産省. “特集1 だから、お魚を食べよう!(1)”.aff2014年1月号.
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1401/spe1_01.html(参照:2025-01-14)