
「森のバター」とも呼ばれるアボカドは、濃厚な味わいと栄養の豊富さから人気の食材です。
この記事では、アボカドの主な栄養素や体への働き、1日あたりの適量、効果的な食べ方まで詳しくご紹介します。
アボカドに含まれる主な栄養素とその働き 1)2)3)
◯脂質
アボカド1/2個(約80g)には、14gの脂質が含まれます。アボカドにはオレイン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれます。エネルギー源となるほか、血中脂質のバランスを整える働きがあります。
◯カリウム
アボカドには過剰なナトリウムを排泄する作用があるカリウムが豊富。日本人は食塩としてナトリウムを摂りすぎる傾向があるため、カリウムの摂取が重視されています。ゆでるなどの調理で損失されやすい栄養素ですが、生で食べられるアボカドは効率よく摂取することができます。
◯食物繊維
アボカド1/2個(約80g)あたり4.5gの食物繊維が含まれ、整腸作用だけでなく、血糖値の抑制などの多くの生理機能があります。
日本人の食物繊維摂取量は減少傾向にあり、1日あたりプラス3〜4gを目標に、積極的に摂取することが勧められています。
◯ビタミンB群
たんぱく質の代謝や神経機能に関与するビタミンB6や、赤血球の合成や胎児の発育に不可欠な葉酸をはじめ、ナイアシンやパントテン酸などの代謝をサポートするビタミンが豊富に含まれています。
◯ビタミンE
脂溶性ビタミンであるビタミンEも含みます。抗酸化作用が期待され、脂質と一緒に摂ることで吸収率が高まる栄養素。アボカド自身の脂質によって効率よく体内に取り込まれます。
アボカドの適量は? 1)
栄養豊富なアボカドですが、脂質が多く1/2個で約140kcalとカロリーもやや高めなため、食べすぎには注意が必要です。1日あたり1/2個を目安にしましょう。
また、切った後は酸化しやすいため、レモン汁などをかけて保存するのがおすすめです。
効果的な食べ方とおすすめの組み合わせ 2)
アボカドはそのままでもおいしく食べられますが、他の食材と組み合わせることで栄養バランスがさらに良くなります。
◯卵をプラスしてたんぱく質を補う
アボカドは脂質が豊富な一方、たんぱく質は少なめです。スクランブルエッグを添えたり、ゆで卵と組み合わせてサラダにしたりすれば、ほどよくボリュームもあり、朝食にもぴったりのひと品になります。
◯大豆製品を組み合わせる
豆腐や納豆などの大豆製品を合わせると、たんぱく質も同時に摂れます。豆腐サラダにアボカドをプラスしたり、アボカドをいつもの納豆に加えて混ぜたりすれば、火を使わず手軽にバランスの良いひと品になります。
◯緑黄色野菜
アボカドに含まれる脂質は、にんじん・パプリカ・ブロッコリーなど緑黄色野菜に含まれる脂溶性ビタミンの吸収を助けます。また、アボカドに含まれるビタミンEは他の抗酸化成分とともに摂取すると、より抗酸化作用が強くなります。サラダにすることで彩りも良く、栄養バランスも整います。
◯トーストにのせて朝食に
トーストだけでは栄養が偏りがちですが、アボカドをプラスすることで手軽に満足感のある朝食になります。
バターの代わりに潰したアボカドを塗り、塩・こしょうで味付け。チーズや卵をトッピングすれば、たんぱく質もプラスできます。
アボカドを毎日の食卓に上手に取り入れよう
アボカドは、良質な脂質やビタミン、ミネラルを手軽に摂れる優秀な食材です。サラダやディップ、トースト、和え物など、さまざまなレシピに活用できるのも魅力。食べすぎに気をつけながら、日々の食事に取り入れて、アボカドをバランスのよい食事に活用してくださいね。
参考文献
- 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).
- 吉田企世子.あたらしい栄養学.高橋書店,2016,p.184,196,197,220,221,230,231 234,235,228,236
- 厚生労働省, 食物繊維の必要性と健康.eヘルスネット.(参照:2025-04-21)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001