栄養豊富な小松菜。期待できる働きと無駄なく栄養を摂る方法を解説

栄養豊富な小松菜。期待できる働きと無駄なく栄養を摂る方法を解説

1年を通して比較的安定した価格で手に入る小松菜。この記事では、小松菜の栄養について詳しくご紹介します。ほうれん草との違いや、栄養を効率よく摂る方法も解説します。

小松菜に含まれる栄養素1)2)3)4)5)

小松菜100gあたりの栄養価を、同じく栄養価の高い青菜としてお馴染みのほうれん草と比較しつつご紹介します。

カルシウム

小松菜にはカルシウムがほうれん草の約3倍と豊富に含まれます。カルシウムは骨や歯を形成したり、体の生理機能を調整する役割があります。
牛乳100mlあたりのカルシウムは100mg。吸収率は異なりますが、牛乳と比較しても小松菜に含まれるカルシウムは多いと言えます。

カリウム

小松菜には100gあたり500mgのカリウムが含まれます。ナトリウムを排出する働きがあり、塩分の摂りすぎを調整します。水溶性で調理によって損失しやすく、ゆでると1/3以下に減少します。

小松菜には、鉄分の多い野菜として知られるほうれん草よりも鉄が多く含まれています。
鉄は赤血球の成分であるヘモグロビンを構成し、全身に酸素を運ぶ役割があります。小松菜に含まれる鉄は非ヘム鉄は動物性食品に含まれるヘム鉄に比べて吸収率が低いと言われています。

ビタミンC

小松菜にはコラーゲンの合成をサポートしたり、酸化を防ぐビタミンCも豊富に含まれます。水に溶け、光や空気の影響も受けやすい栄養素です。
他にも皮膚や粘膜の健康を保つβカロテンや、エネルギー源の代謝を助けるビタミンB群、血液の凝固や骨の形成を助けるビタミンKなどを豊富に含みます。

小松菜の栄養を逃さない食べ方 2)3)

ゆでずに調理する

ゆでることでカリウムやビタミンCのような水溶性の栄養素はゆで汁に溶け出してしまいます。
ゆでる代わりに電子レンジで加熱すると、栄養素の流出が抑えられます。炒める場合は下ゆでせずに、生のままさっと炒めるのがおすすめです。
小松菜はアクが少ないため、生のままサラダやスムージーにしてもおいしく食べられます。

ビタミンDと合わせて摂る

小松菜に含まれるカルシウムは、ビタミンDと一緒に摂ると吸収が良くなります。ビタミンDは干ししいたけなどのきのこ類、さけやしらす干しなどの魚類に多く含まれます。

ビタミンCと合わせて摂る

ビタミンCには鉄を吸収しやすい形にし、ヘモグロビンの合成を促す作用があります。小松菜自体にもビタミンCは含まれますが、赤ピーマンやいも類などに多く含まれます。
また、鉄は動物性たんぱく質を一緒に摂ることでも吸収率があがるため、肉類と組み合わせるのもおすすめです。

油と一緒に摂る

βカロテンやビタミンKは脂溶性で、油に溶けると吸収が良くなると言われています。油で炒めたり、ドレッシングに油を加えたりして一緒に摂るようにしましょう。

小松菜を栄養補給に活用しよう

ビタミンやミネラルなど、不足しがちな栄養素を豊富に含む小松菜。調理のポイントをおさえれば、余すことなく栄養を摂ることができます。
さまざまな調理法で楽しめるので、毎日の食事に積極的に取り入れてみてくださいね。

参考文献

  1. 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).
  2. 上西一弘.栄養素の通になる.第4版,女子栄養大学出版部,2016,p.78,132,126,127,152,153,176,196~198
  3. 吉田企世子. あたらしい栄養学.高橋書店,2016,p.203,217~219,223
  4. 厚生労働省,カルシウム.eヘルスネット.(参照:2025-01-28)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-042.html
  5. 厚生労働省,カリウム.eヘルスネット.(参照:2025-01-28)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html