
ヘルシーなイメージがある豆腐。この記事では、絹豆腐、木綿豆腐、焼き豆腐、厚揚げの4種類のカロリーと栄養について、それぞれの特徴と合わせてご紹介します。豆腐の栄養を生かす食べ方や適量についても解説します。
豆腐・豆腐加工品の特徴 2)
絹ごし豆腐:
豆乳と凝固剤を混ぜ、全体を凝固させたもので、柔らかい食感が特徴です。
木綿豆腐:
豆乳に凝固剤を加えて凝固させ、崩してから上澄を除いてから圧搾、成型したもの。
しっかりとした食感で崩れにくいという特徴があります。
焼き豆腐:
水切りした木綿豆腐に焼き目を付けたもの。崩れにくいため、煮物や鍋物によく使用されます。
木綿豆腐を水切りして作るため、木綿豆腐よりカロリーは高くなりますが、栄養も凝縮しています。
厚揚げ:
水切りした木綿豆腐を油で揚げたものです。脂質が多くカロリーが高くなりますが、水分が少ないため、カルシウムや鉄などの栄養素も多く含みます。
豆腐のカロリーと栄養 1)2)3)4)7)
豆腐4つの100gあたりの栄養価を表でご紹介します。
カロリー
木綿豆腐は100gあたり73kcal、1丁(300g)で219kcalです。
100gの豚もも肉は171kcal、鮭は124kcal、卵は142kcalのため、他の食材と比べても豆腐のカロリーは低いと言えます。
しかし、たんぱく質の量は肉や魚に比べると少ないため、豆腐ばかりでなく他の食材とバランスよくとる必要があります。
たんぱく質
豆腐には体作りに欠かせないたんぱく質が豊富です。水分が少ないほどたんぱく質の量が増えるため、絹ごし豆腐より木綿豆腐の方がたんぱく質が多くなります。
豆腐に含まれるたんぱく質はアミノ酸スコア100と満点で、体内で利用されやすい良質なたんぱく質です。
脂質
豆腐は脂質を含みますが、肉類と違ってコレステロールを含まないのが特徴です。
油で揚げた厚揚げは脂質が多くなるため、熱湯をかけて油抜きをしてから調理したり、調理の時に使用する油の量を控えめにしたりすることで脂質を抑えられます。
ミネラル
豆腐にはカルシウムが含まれます。骨や歯を形成したり、生理機能を調整する重要な栄養素です。また、全身に酸素を供給する役割をもつ鉄も含みます。
カルシウムや鉄は不足しがちな栄養素と言われているため、意識的に摂取しましょう。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似ていることから、植物性エストロゲンとも呼ばれます。骨粗鬆症の予防・改善に効果があると考えられています。
他にも、抗酸化作用が期待されるサポニンなどが含まれます。
豆腐の栄養を生かす食べ方 5)6)
厚生労働省と農林水産省によって策定された「食事バランスガイド」において大豆を使った料理は、肉や魚料理などとともに「主菜」として位置付けられています。
基本的にはメイン料理として豆腐は取り入れ、副菜として食べる場合は主菜の肉や魚の量と合わせてたんぱく質の摂りすぎにならないよう気をつけましょう。
また、カロリーが低いからと言ってご飯のかわりに置き換えると、たんぱく質や脂質の摂りすぎにつながる恐れがあります。炭水化物の不足にもつながるため、おすすめできません。
厚生労働省が推進している国民健康づくり運動(健康日本21)では、大豆を含む豆類は、牛乳・乳製品などとともにカルシウムに富む食品として紹介されており、1日100g摂取することが目標となっています。
豆腐以外の大豆製品と合わせて1日1回程度、適量を取り入れましょう。
豆腐をバランスの良い食生活に取り入れよう
低カロリーながら、たんぱく質だけでなくカルシウムや鉄などの栄養も摂れる豆腐。簡単に調理できるのもうれしいポイントです。いろいろな食べ方で毎日の食事に取り入れてみてくださいね。
参考文献
- 上西一弘.栄養素の通になる.第4版,女子栄養大学出版部,2016,p.176,177.
- 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).
- 吉田企世子. あたらしい栄養学.高橋書店,2016,p.202,250
- 厚生労働省,骨粗鬆症.eヘルスネット.(参照:2024-12-10) https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-043.html.
- 厚生労働省,食事バランスガイド(基本編),e-ヘルスネット.(参照:2024-12-10)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-007.html
- 厚生労働省,健康日本21(栄養・食生活).(参照:2024-12-10)https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html#A13
- 内閣府食品安全委員会,大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(参照:2024-12-10)https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html#9