ビタミンB群が多く含まれる食べ物は?働きや摂取のポイントも紹介

ビタミンB群が多く含まれる食べ物は?働きや摂取のポイントも紹介

ビタミンB群は水溶性のビタミンで、生体内で主に補酵素として働きます。三大栄養素の代謝や、エネルギー生成に欠かせない栄養素です。
この記事では、8種類のビタミンB群の働きや摂取量の目安、多く含まれる食べ物をご紹介します。 1)

ビタミンB1 1)2)3)

糖質の代謝に不可欠なビタミンです。また、神経機能の働きを正常に保つ役割もあります。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人の男女で0.9〜1.4mg/日摂取が目安とされています。
糖質の摂取が多い日本人には不足しやすい栄養素で、意識的に摂ることがすすめられています。

多く含まれる食品

豚肉や精製されていない穀物、豆、種実類に多く含まれます。
ニンニクや玉ねぎなどの臭い成分であるアリシンと一緒に摂取すると吸収効率が上がります。 

ビタミンB2 1)2)3)

三大栄養素がエネルギーに変わる過程に関わります。たんぱく質の合成にも関与し、「発育のビタミン」とも呼ばれています。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人の男女で1.1~1.6mg/日摂取が目安とされています。
必要量はエネルギーの消費量が多いほど増えるため、必要エネルギー量が多いスポーツ選手などはビタミンB2も必要量が増加します。

多く含まれる食品

魚やレバー、乳製品、卵などの動物性食品に多く含まれます。熱には強いですが、光によって分解されやすい性質があります。

ナイアシン 1)2)3)

糖質や脂質がエネルギーに変わるとき、補酵素として働きます。また、アルコールの分解を助ける働きもあります。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人の男女で、10~15mgNE/日摂取が目安とされています。

多く含まれる食品

魚や肉などの動物性食品に多く含まれます。熱や酸、光などに対して比較的安定したビタミンです。

ビタミンB6 1)2)3)

たんぱく質の代謝や、神経伝達物質の合成に関わります。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人の男女で1.1〜1.4mg/日摂取が目安とされています。たんぱく質の摂取量が多いほど、ナイアシンも必要量が増加します。
腸内細菌によっても合成されます。

多く含まれる食品

魚や肉などの動物性食品に含まれるほか、野菜などにも含まれます。光によって分解されやすい性質があります。

ビタミンB12 1)2)3)

葉酸と協力して正常な赤血球の生成をサポートするため、「造血のビタミン」と呼ばれています。また、神経機能の機能維持に働きます。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人の男女で2.4μg/日摂取が目安とされています。腸内細菌によっても合成されます。

多く含まれる食品

基本的には動物性食品にしか含まれませんが、例外的にのりには多く含まれます。光や熱によって酸化されやすいため、早めに食べたり、密封保存したりしましょう。

葉酸 1)2)3)

細胞の合成に関与し、細胞増殖が盛んな胎児の健全な発育のために特に重要な栄養素です。赤血球の合成にも関与します。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人の男女で240μg/日の摂取が推奨されています。

多く含まれる食品

レバーや緑の葉野菜などに多く含まれます。水溶性でゆでるなどの調理によって損失しやすいため、サラダなど生で食べるのがおすすめです。

パントテン酸 1)2)3)

糖質、たんぱく質、脂質などの代謝に関わり、エネルギーの産生に不可欠な栄養素です。ホルモンの合成にも関わります。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人の男女で5~6mg/日摂取が目安とされています。

多く含まれる食品

動物性食品にも植物性食品にも幅広く含まれており、一般的な食事をしていれば不足することはありません。

ビオチン1)2)3)

糖質やたんぱく質、脂質の代謝をサポートします。また、皮膚の健康を維持する働きもあります。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人の男女で50μg/日摂取が目安とされています。腸内細菌によっても合成されます。

多く含まれる食品

レバーや卵黄、アーモンドやカシューナッツなどの種実類に多く含まれています。食品中でたんぱく質と結合した形で存在しているため、分解されにくく、壊れにくいビタミンです。

バランスの良い食事でビタミンB群を補給しよう 1)

ビタミンB群は、協力して栄養素の代謝に働きます。そのため、何かの食べ物や栄養素に偏るのではなく、いろいろな食品からバランスよく取り入れることが大切です。また、水溶性で過剰に摂取した分は尿中に排泄されるため、毎日の食事でこまめに取り入れるよう意識しましょう。

参考文献

  1. 上西一弘.栄養素の通になる.第4版,女子栄養大学出版部,2016,p. 78,80-83,86-89,92-95,98-101,104-107,110-113,116-119,121-124.
  2. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.
  3. 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).