プリン体の分解にも関わる、モリブデンの基本を知る。

2023/6/14

　モリブデンの機能
　モリブデンの消化、吸収、代謝
　モリブデンの摂取量
　過不足のリスク
　モリブデンが多く含まれる食品10品目

原子番号42のクロム族元素の一つです。
尿酸の生成や鉄の代謝に関わる栄養素です。^（1
成人の体内に約9mg含まれ、肝臓に多く存在しています。^（2

モリブデンの機能 ⁽¹

まだ分かっていないことの多い栄養素ですが、酵素や補酵素を構成して様々な働きをしていると考えられています。
尿酸の生成を促したり、体内の銅の排泄や鉄の代謝、間接的には糖質の代謝や脂質の代謝にも関わります。

食事から摂取されたモリブデンは胃と小腸から吸収され、吸収率は93%だと推定されます。
余分なモリブデンは尿中に排泄されるため、体内のモリブデン量は一定に保たれています。

モリブデンの食事摂取基準
成人の男女で、25〜30μg/日摂取が推奨されています。
上限量が定められています。

過剰分は速やかに尿として排泄されるため、通常の食事で過剰症が起きた例はありません。
また毒性が低く、モリブデンの過剰による中毒の報告もごくわずかです。
モリブデン中毒の研究は少ないですが、銅の吸収を阻害して銅の欠乏症である貧血が現れたり、痛風のような症状がでたりした例があります。

これまでに健康な人に欠乏症が出た報告はありません。
長期間食事ができない人や遺伝的な問題により欠乏すると、視野暗転、夜盲症、眼の水晶体異常や脳・精神障害、昏睡状態等の症状が現れます。

納豆、えだ豆、きな粉、落花生等の豆類、レバーに多く含まれています。
日本の通常の食生活だと、推奨量の10倍近く摂取できると考えられています。
健康な人の過剰症も報告されていないので、意識して摂取する必要はあまりないでしょう。