牛肉と言えば、普段の食事だけでなく少し贅沢をしたい日にもお馴染みの食材ですね。
栄養豊富なイメージがある牛肉ですが、たんぱく質がどれくらい含まれているかご存じですか?この記事では、牛肉に含まれるたんぱく質を部位ごとに紹介。部位ごとの適した料理や、たんぱく質以外の栄養素についても解説します。
牛肉に含まれる部位ごとのたんぱく質量 1)3)4)
牛肉に含まれるたんぱく質は、必須アミノ酸をバランスよく含む良質なたんぱく質です。
牛肉は部位によってたんぱく質の量が異なります。牛肉の代表的な部位の100gあたりのたんぱく質量を紹介します。
●ヒレ
脂質が少なく高たんぱくで柔らかい部位です。淡白な味わいで、油で焼いたり揚げたりする調理に適しています。
●もも
脂質が少なく、たんぱく質を多く含みます。他の部位に比べて水分量が多く、ローストビーフや煮込み料理によく使用されます。
●かた
運動量が多く、たんぱく質の多い部位です。旨みが濃厚で、煮込み料理に向いています。薄切りにすれば、すき焼きやしゃぶしゃぶにもよく合います。
●サーロイン
背肉の部分で運動量が少なく、適度に脂肪がついています。柔らかい食感が特徴で、ステーキの定番部位です。
●ばら
あばら骨周辺の部位で、脂質を多く含みます。脂身の旨みを生かした料理に適しています。カルビ肉としても食べられ、薄切りにして焼肉や牛丼としてよく食べられます。
牛肉に含まれる栄養素 2)3)
牛肉には鉄が含まれます。特にヒレ肉やもも肉などの赤身肉に豊富です。
鉄は赤血球の成分であるヘモグロビンを構成するミネラルです。肺から取り込んだ酸素を全身の細胞に送り届ける役割があります。
牛肉に含まれるヘム鉄は、植物性食品に含まれる非ヘム鉄に比べて吸収率が高いことが特徴です。また、肉類には鉄の吸収を促進する物質が含まれます。
牛肉は肉の中でもっとも脂質が多く、その大部分が飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸はエネルギーとして使われますが、中性脂肪やコレステロールなどの原料にもなります。摂りすぎが続くと、生活習慣病の原因となるため注意が必要です。脂肪の少ない部位を選んだり、さっとゆでて脂を落とすとエネルギーや脂質の摂りすぎを抑えられます。
牛肉でおいしく栄養補給しよう!
焼肉やステーキなど、部位を選ぶことも多い牛肉。味の好みだけでなく、たんぱく質や脂質を意識してみるのも良いかもしれません。
ついたくさん食べてしまいますが、脂質も多く含むため食べすぎには注意が必要です。適量をおいしく取り入れて、たんぱく質や鉄補給に役立ててくださいね。
参考文献
- 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).
- 上西一弘.栄養素の通になる.第4版,女子栄養大学出版部,2016,p.196-199.
- 吉田企世子. あたらしい栄養学.高橋書店,2016,p82,182,183.
- 農林水産省. “牛 部位図鑑”.aff2020年9月号.
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2009/pdf/aff2009_02_poster02.pdf
(参照:2024-09-24)