近年トレーニングやダイエットを行う人々を中心に、多くの人がプロテインを飲んでいます。
プロテインは筋肉合成を促進し、筋肉量を増やすことを助ける働きがあります。
そのため、体を鍛えている人にとっては欠かせないドリンクです。
実際に起床後やトレーニング後、就寝前などに飲んでいるという声をよく耳にしますが、タイミングは人それぞれ異なるようです。
そこで、プロテインを飲むタイミングについて調べてみました。
その結果、プロテインを飲むタイミングは、筋肉量と筋力の増加にさほど影響がないことが分かりました。
ホエイプロテインが筋肉量と筋力に与える影響を調査した論文(※1)によると、、、
※1 は、「Chen Y, Liang Y, Guo H, Meng K, Qiu J, Benardot D.
Muscle-Related Effect of Whey Protein and Vitamin D3 Supplementation Provided before or after Bedtime in Males Undergoing Resistance Training.
Nutrients. 2022 May 30;14(11):2289. doi: 10.3390/nu14112289.」の論文のことを指し、
以下の点線内は、論文の内容を引用とする。
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論文(※1)では、まず健康な男性を以下の3つのグループに分けました。
そして6週間トレーニングを行い、ホエイプロテインが筋肉量と筋力に与える影響を調査しました。
- ASグループ:就寝前にホエイプロテインを摂取
- BBグループ:起床後にホエイプロテインを摂取
- Cグループ:摂取なし
その結果、ASグループとBBグループは、Cグループより除脂肪組織量(LTM)が有意に変化しました(Table 4)。
しかしながら、ASグループとBBグループ間には有意な違いはありませんでした。
論文(※1)より引用し、抜粋。
同様に筋力評価においても、
ASグループとBBグループは、Cグループより膝伸展トルク(knee-extension (KE) torque)が有意に変化しましたが、
両グループ間に有意な違いは見られませんでした(Figure 6)。
論文(※1)より引用し、抜粋。
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プロテインを飲むタイミングは、筋肉量と筋力の増加に影響がない
除脂肪組織量とは、身体の筋肉や臓器、骨などの非脂肪組織の総量を指し、体脂肪率が低く、筋肉量が多いほど増えます。
また膝伸展トルクは、膝関節の筋肉の強さやパワーを測定するために使用される値です。
つまり、論文(※1)の結果はプロテインを就寝前と起床後のどちらに飲んでも、筋肉量と筋力が同じように増加していたため、タイミングによる影響はないことを示唆しているのではないでしょうか。
目標やライフスタイルに合わせて、最適なタイミングを見つけることが大切
筋肉量や筋力を増やすことが目的の場合、
プロテインを摂取すること自体が重要であり、摂取するタイミングはあまり関係がないことが分かりました。
プロテインを飲む最適なタイミングは、個々の目標やライフスタイルによって異なってくるのかもしれません。
まずは自分自身に最適な摂取タイミングを見つけてみてはいかがでしょうか。
参考文献
Chen Y, Liang Y, Guo H, Meng K, Qiu J, Benardot D.
Muscle-Related Effect of Whey Protein and Vitamin D3 Supplementation Provided before or after Bedtime in Males Undergoing Resistance Training.
Nutrients. 2022 May 30;14(11):2289. doi: 10.3390/nu14112289.