たんぱく質だけじゃない!卵の栄養を詳しく解説

2023/10/12

たんぱく質だけじゃない!卵の栄養を詳しく解説

「完全栄養食」と呼ばれるほど栄養価の高い卵。
調理が手軽なことから、毎日食べている、という方も多いかもしれません。
今回は、そんな卵の栄養について詳しく紹介します。
気になるコレステロールや、卵の栄養を生かす食材の組み合わせなども合わせて解説します。

良質なたんぱく質を含む

卵1個(55g)あたり6.7gのたんぱく質を含みます。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人男性で60g/日が推奨量とされているため、卵1個で1日分のたんぱく質の約10%を摂ることができます。
食品中に含まれるたんぱく質の栄養価を、必須アミノ酸の組み合わせから評価するアミノ酸スコアという指標があります。
卵はアミノ酸スコアが満点の100で、質の良いたんぱく質を含む食品と言えます。
たんぱく質は摂りだめができないため、3食に分けてしっかり摂る必要があります。
たんぱく質が少し足りないときに、卵を1個プラスすれば手軽にたんぱく質を補うことができます。

脂質をほどよく含む

卵1個(55g)あたりの脂質は5.6gで、ほぼ卵黄に含まれます。
卵黄に多いリン脂質のレシチンは、細胞膜や神経組織を構成するコリンの供給源になります。1)
卵黄には脂質の一種であるコレステロールも多く含みます。コレステロールは細胞膜を構成したり、ホルモンの材料になるなどの重要な働きをします。1)

ビタミンやミネラルも豊富

卵には、皮膚や粘膜の健康を保つビタミンAや、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、抗酸化作用をもつビタミンEなどの脂溶性ビタミンが含まれます。また、代謝に関わるビタミンB群も含みます。
また、鉄やカリウム、カルシウムといった不足しがちなミネラルも含みます。

卵は1日何個まで?

卵は1個(55g)あたり203.5mgのコレステロールを含み、食事でのコレステロール摂取の大きな割合を占めます。
卵はコレステロールが多いから1日1個まで、と言われているのはこのためです。
しかし、コレステロールは体内で合成され、一定に調整されています。
食事から摂取したコレステロール量が直接コレステロール値に反映されるわけではないため、現在の食事摂取基準では目標量は設定されていません。
このことから、健康な方であれば1日1個程度の摂取は問題なく、卵の摂取量を厳しく制限する必要はないと言えます。
体質によっては、コレステロールが上がりやすい人もいるため、過剰摂取には注意しましょう。

卵の栄養を生かす効果的な食べ方

いろいろな栄養素を含む卵ですが、ビタミンCと食物繊維は含みません。1)
そのため、ビタミンCと食物繊維を含む野菜や芋類、穀類と組み合わせるとバランスの良い食事になります。
卵は加熱しても栄養価はほとんど変わりませんが、長く加熱するとたんぱく質が変化して消化が悪くなるため、胃腸の調子が悪い方は半熟にするのがおすすめです。1)

卵は適量をおいしく!

たんぱく質や脂質、ビタミンやミネラルまで体に欠かせない栄養素をバランスよく含む卵。栄養価が高いからといって、食べ過ぎには注意が必要です。いろいろな食材と組み合わせて、適量をおいしく味わってくださいね。

出典

  1. 吉田企世子(2016)「あたらしい栄養学」高橋書店 P.71,187
  2. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」
  3. 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」