きな粉の栄養と効果的な取り入れ方を解説

きな粉の栄養と効果的な取り入れ方を解説

きな粉と言えば、香ばしい風味と素朴な味わいで、和菓子には欠かせない食材ですね。大豆を丸ごと粉末状にしているため、大豆の栄養をそのまま摂ることができます。
今回は、きな粉の栄養とトレーニングやダイエットに効果的に取り入れる方法をご紹介します。おすすめの食べ方まで解説しますので、ぜひご覧ください。

きな粉の栄養

たんぱく質を豊富に含む(1(2

きな粉の原料となる大豆が「畑の肉」と呼ばれているように、きな粉にもたんぱく質が豊富に含まれます。たんぱく質は体を作る材料になる重要な栄養素です。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、成人男性で60g/日が推奨量とされています。きな粉大さじ1杯(7.5g)には2.8gのたんぱく質が含まれ、1日に必要なたんぱく質の約5%を摂ることができます。
たんぱく質は摂りだめできないため、毎日の食事でこまめに摂る必要があります。

食物繊維でお腹の調子を整える (4

きな粉には不溶性食物繊維が豊富に含まれます。不溶性食物繊維は、胃や腸のなかで水分を吸収してふくらみ、腸を刺激して蠕動運動を促します。
また、腸内の乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌のエサになり、腸内環境の改善が期待できます。

ポリフェノールの一種「大豆イソフラボン」を含む (3

きな粉には、強い抗酸化作用が期待できる大豆イソフラボンが含まれます。ハリやうるおいを保ったり、丈夫な骨を維持する働きが期待できます。
女性ホルモンに似た働きを持つと言われるため、女性は特に意識して摂取したい成分です。

不足しがちな鉄やカルシウムも摂取できる (5

きな粉は血液の材料となる鉄や、歯や骨の成分となるカルシウムも豊富に含みます。鉄やカルシウムは不足しやすいため、日々の食事で気をつけて摂りたい栄養素です。
きな粉に含まれる非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がるため、野菜や果物などと組み合わせて摂るのがおすすめです。

トレーニングやダイエットにきな粉は効果的? (1

きな粉は低糖質高たんぱくで不足しがちな栄養素を摂れるため、トレーニングやダイエットをしている方にも適した食材です。しかし、脂質を含みカロリーが大さじ1杯(7.5g)あたり34kcalと高いため、食べ過ぎには注意が必要です。 
きな粉をプロテインのように牛乳で溶かして、ドリンクとして飲むこともできますが、一般的なプロテインに比べてきな粉はたんぱく質量が少なく高カロリーです。
また、大豆たんぱくは、動物性たんぱく質に比べて吸収がゆっくりという特徴があるため、トレーニング直後のたんぱく質補給ではなく、日々のたんぱく質を補う目的で摂るのが良いでしょう。
きな粉自体に甘味はないため、砂糖やはちみつなどの甘味料と合わせて食べることが多いですが、砂糖を入れすぎるとカロリーオーバーにつながるため控えめにしましょう。

きな粉の栄養を生かす食べ方

きな粉は和菓子やスイーツだけでなく、料理やドリンクなどいろいろな食べ方で楽しめます。
朝食はたんぱく質の摂取が少なくなりがちと言われていますが、きな粉をトーストにトッピングしたり、ヨーグルトにかけて食べたりすれば、手軽にたんぱく質を補うことができます。
牛乳や豆乳に加えてきな粉とお好みの甘味料を加えてよく混ぜれば、腹持ちの良いドリンクになります。お子さんや、食事量の少ない高齢者の栄養補給にもおすすめです。
ごまの代わりにきな粉を使うきな粉和えや、唐揚げの衣をきな粉に代えるなど料理にも活用できます。薄力粉や片栗粉をきな粉に代えることで、糖質を抑えてたんぱく質を摂ることができます。

きな粉を栄養補給に活用しよう

きな粉は保存がきき、加熱せずに食べられるという手軽さも魅力です。少量でしっかりと栄養を摂れるため、トレーニングやダイエットをしている方だけでなく、幅広い年代の方におすすめの食材です。
一度にたくさん食べるのではなく、食事や間食に少しずつ取り入れて、美味しく栄養補給してくださいね。

参考文献

  1. 文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).
  2. 厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.
  3. 吉田企世子. あたらしい栄養学.高橋書店, 2016, p84.
  4. 厚生労働省.“食物繊維の必要性と健康”. e-ヘルスネット. 2021-06-22, https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html ,(参照:2024-07-23).
  5. 厚生労働省 . “鉄”. e-ヘルスネット.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html ,

      (参照:2024-07-23).