毎日の食事は、体をつくる素となります。
その中でも、たんぱく質は筋トレをサポートする栄養素であり、トレーニングに励む方は摂取量を意識した食事をしているのではないでしょうか。
一般的に、たんぱく質の摂取量は朝食時に低く、夕食時に高いと言われており、3食の食事の中でも偏りを生じている人が多い傾向にあります。
1日に必要な総たんぱく質量さえ摂れていれば、偏りがあってもいいと思われるかもしれません。
しかし最近の論文で、たんぱく質が豊富な朝食を食べた方が、夕食時に偏っているよりも筋トレに効果があることが分かりました。
朝食時のたんぱく質量が豊富な人と、夕食時に偏っている人を比較した論文によると、、、
まず、健康で若い男性を以下の2つのグループに分け、週に3回レジスタンストレーニング(RT)を行いました。
- HBRグループ:朝食時のたんぱく質量が多く、3食それぞれで均等に摂取している
- LBRグループ:夕食時のたんぱく質量が多く、偏っている
(どちらのグループも、1日に必要な総たんぱく質量は摂取しています。)
12週間後、脂肪以外の組織量(LTM)を計測し変化を調べました。
その結果、両方のグループでLTMが増加しました(FIGURE 3)。
特に総LTMにおいては、HBRグループがLBRグループよりも有意に増加していました。
参考文献より引用し、抜粋。
朝食時により多くのたんぱく質を摂取することで、筋肥大が期待できる
論文の結果は、朝食時により多くのたんぱく質を摂ることが夕食時に偏って摂ることよりも、RTによる筋肉量の増加に効果的であることを示唆しています。
1日に必要な総たんぱく質量を摂ることはもちろん大切ですが、たんぱく質が豊富な朝食を食べる(3食で均等にたんぱく質を摂取する)ことは筋トレの効果を出すうえで重要なことかもしれません。
たんぱく質が豊富な朝食をとろう
筋肉を大きくしたい方は、朝食時にタンパク質を積極的に摂ってみましょう。
もし難しい場合は、朝食に毎日飲んでいるプロテインを取り入れてみることをおすすめします。
まとめ
- 一般的に、たんぱく質は朝食より夕食で多く摂取している傾向がある。
- 最近の論文で、たんぱく質が豊富な朝食を食べた方が夕食時に偏った量を摂るよりも、筋トレに効果があることが発表された。
- たんぱく質が豊富な朝食を食べる(3食で均等にたんぱく質を摂取する)人と、夕食に多く摂取する人のRTによるLTMの変化を比較した試験が行われた。
- たんぱく質が豊富な朝食を食べているグループの方が、総LTMを有意に増加させていた。
- 1日に必要な総たんぱく質量はもちろん大切だが、朝食時により多くのたんぱく質を摂る(3食で均等にたんぱく質を摂取する)ことは、夕食時に偏って摂ることよりもRTによる筋量の増加に効果的である。
- 筋肥大を目的に筋トレをしている人にとって、たんぱく質が豊富な朝食を食べることは重要である。
参考文献
Jun Yasuda, Toshiki Tomita, Takuma Arimitsu, Satoshi Fujita
Evenly Distributed Protein Intake over 3 Meals Augments Resistance Exercise-Induced Muscle Hypertrophy in Healthy Young Men
J Nutr.2020;150:1845-1851.doi:10.1093/jn/nxaa101