毎日の食卓に欠かせないご飯ですが、たんぱく質も含まれていることをご存知ですか?
今回は、ご飯1杯に含まれるたんぱく質の量や、ご飯のたんぱく質を効率的に摂る方法も解説します。
ご飯1杯に含まれるたんぱく質量は? 2)5)
ご飯1杯(200g)には、たんぱく質が5g含まれます。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)では、たんぱく質の推奨量を成人男性で65g/日としています。1日3杯ご飯を食べると、約23%のたんぱく質を摂取できます。
肉や魚に比べるとたんぱく質量は多くはありませんが、主食として食べることを考えると重要なたんぱく源のひとつと言えます。
ご飯に含まれる栄養素は? 1)3)5)
ご飯の栄養成分の7割以上は糖質と食物繊維の総称である炭水化物です。
糖質は消化吸収に優れた利用されやすいエネルギー源で、人体にとって重要な栄養素です。食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を整えます。
また、ビタミンやミネラルなども含みます。
ご飯でたんぱく質を摂るメリット 4)5)
肉や魚だけでたんぱく質を摂ろうとすると、脂質の摂取量が増え、エネルギー過多になるおそれがあります。
ですが、ご飯には脂質が少ないため、脂質の摂りすぎを心配することなくたんぱく質を摂ることができます。また、消化器官への負担が少ないため、消化機能の低下した高齢者でも効率よく栄養を摂ることができます。
ご飯を主食として、主菜や副菜を組み合わせた食事にすることで炭水化物、たんぱく質、脂質のバランスが整った食事を組み立てやすくなります。
ご飯のたんぱく質を効率よく摂る方法 4)
ご飯には必須アミノ酸であるリジンが少なく、たんぱく質の栄養価を評価するアミノ酸スコアが65と低いため、ご飯だけでは質の良いたんぱく質とは言えません。
不足しているアミノ酸のリジンをご飯と一緒に摂ることで、アミノ酸スコアが満点の100になり、たんぱく質の吸収率が高くなります。大豆類は特にリジンを多く含んでいるため、納豆や豆腐、味噌などと組み合わせると効率よくたんぱく質を摂取できます。
主食のご飯に、肉や魚、豆類などの主菜、野菜料理の副菜、みそ汁など組み合わせた定食スタイルの食事は、炭水化物やたんぱく質だけでなく、ビタミンやミネラル類もバランスよく摂ることができます。
ご飯もたんぱく質補給に活用しよう
たんぱく質を十分摂るために肉や魚などを意識して摂取している方も多いかもしれませんが、ご飯もたんぱく質を豊富に含みます。
他の食品と上手に組み合わせて、毎日のご飯からもしっかりとたんぱく質を摂るようにしましょう。
参考文献
1)吉田企世子. あたらしい栄養学, 高橋書店, 2016, p.188,189.
2)厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.
3)厚生労働省.e-ヘルスネット,腸内細菌と健康,
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
4)農林水産省. お米と健康・食生活.
https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_majime/content/health.html.
5)文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).
(参照:2024.7.23)