<h4 id="h0669eefa7c">目次</h4><p>　亜鉛の機能<br>　亜鉛の消化、吸収、代謝<br>　亜鉛の摂取量<br>　過不足のリスク<br>　亜鉛が多く含まれる食品10品目<br><br><br>原子番号30の亜鉛族元素です。<br>体内に約2,000mg存在し、皮膚や骨、肝臓や腎臓などに分布しています。<sup>2)</sup><br>たんぱく質を合成したり、免疫機能を維持したりするのに役立つ栄養素です。<sup>1)</sup><br></p><h2 id="h43438d314d">亜鉛の機能 <sup>1)2)</sup></h2><h3 id="h18b624aa32">味覚を維持する</h3><p>味を感じることができるのは、舌の表面の「味蕾（みらい）」に存在する味細胞のおかげです。<br>亜鉛は味蕾の新陳代謝に関与します。</p><h3 id="hfea5185e91">あらゆる代謝に関わる</h3><p>亜鉛は200種類以上の酵素を構成する成分として、体内の様々な代謝に関わります。<br>細胞やたんぱく質、ホルモンの合成に欠かせない栄養素です。<br></p><h2 id="hbd15d8d6c6">亜鉛の消化・吸収・代謝 <sup>2)</sup></h2><h3 id="hd0534fb186">小腸で吸収され、吸収率は30%程度</h3><p>食事で摂取した鉄は、小腸で吸収されます。<br>吸収率は鉄や銅の摂取量など食事に含まれる他の栄養素によって変化しますが、約30%とされています。<br>尿としての排泄は少なめです。<br></p><h2 id="h3c8ca4d2f5">亜鉛の摂取量 <sup>2)</sup></h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/8f0cf7ac77074632a5aa575742b0d784/84ac1d92-e96e-467b-b48c-efdd7b8898a1_%E4%BA%9C%E9%89%9B%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%91%82%E5%8F%96%E5%9F%BA%E6%BA%96.avif" alt="" width="undefined" height="undefined"><br>成人の男女で、8〜11mg/日摂取が推奨量とされています。<br>耐容上限量の設定があります。<br></p><h2 id="h187ba6800a">過不足のリスク <sup>1)</sup></h2><h3 id="hf6ddc9adc5">サプリなどの過剰使用で貧血や吐き気が起きる場合がある</h3><p>通常の食事で過剰摂取になる可能性は極めて低いですが、サプリメントなど健康食品の利用で過剰症が起きる場合があります。<br>急性の亜鉛中毒ではめまいや吐き気、HDL（善玉）コレステロールの減少、長期の慢性的な亜鉛過剰は鉄や銅の吸収を阻害し、貧血を招くことがあります。<br>抗酸化酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ（SOD）の活性が弱まるという報告もあります。</p><h3 id="h69c3e7e8f8">欠乏すると味覚障害、成長障害、皮膚炎、などが起きる</h3><p>味蕾にある細胞の新陳代謝が悪くなり、味覚障害が起きます。<br>亜鉛はあらゆる代謝に関わるため、不足すると成長障害が起きます。<br>子どもだと身長や体重の発育が遅れ、思春期では第二次性徴が遅れます。<br>成人では性機能不全、妊婦では胎児の成長不良が起きます。<br></p><h2 id="hb166ffee4f">亜鉛が多く含まれる食品 <sup>1)3)</sup></h2><p>牡蠣など魚介類、レバーや肉類といった動物性食品に多く含まれています。<br>野菜や果物の植物性食品のみに偏らず、通常の食事ができていれば不足する心配はあまりありません。<br>植物性の食品で摂取する場合は、切干し大根が2.1mg/100g、ゆでたそらまめ1.9mg/100g、枝豆1.4mg/100g、水煮のマッシュルーム1.0mg/100gなどが比較的豊富です。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/16aaa8f0d96c4c2f87de26bfab1faee4/%E4%BA%9C%E9%89%9B_%E4%BD%99%E7%99%BD%E3%81%AA%E3%81%97.png?w=380&amp;h=519" alt="" width="380" height="519"><br></p><h4 id="h7605dc6208">参考文献</h4><ol><li><span style="color:#2c2c2c">上西一弘. 栄養素の通になる. 第4版, 女子栄養大学出版部, 2016, p.202-207.</span></li><li><span style="color:#2c2c2c">厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.</span></li><li><span style="color:#2c2c2c">文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).</span></li></ol><p><br></p>

牡蠣やレバーなどの動物性食品に多く含まれる亜鉛。この記事では、亜鉛の働きや、消化吸収、摂取量、多く含む食品などについて解説します。

味覚を正常に保つミネラル、亜鉛の基本を知る。

<h4 id="h0669eefa7c">目次</h4><p>　銅の機能<br>　銅の消化、吸収、代謝<br>　銅の摂取量<br>　過不足のリスク<br>　銅が多く含まれる食品10品目<br><br><br>原子番号29の遷移金属元素です。<br>成人の場合体内に約100mg存在し、そのうち約65%は筋肉や骨に含まれています。<sup>3)</sup><br>金属ミネラルの中でも毒性が低く、沢山摂っても排泄されやすい栄養素です。<sup>1)</sup><br></p><h2 id="hfb87d492ba">銅の機能 <sup>1)</sup></h2><h3 id="hd97f086bdd">鉄の働きをサポートする</h3><p>血液中の銅のほとんどはたんぱく質と結合して「セルロプラスミン」という酵素たんぱく質を作っています。<br>セルロプラスミンは鉄の代謝に働き、鉄の吸収・貯蔵、赤血球の成分であるヘモグロビンの合成に関わります。</p><h3 id="hfd93b049c0">活性酸素を除去する</h3><p>赤血球中の銅のほとんどはスーパーオキシドジスムターゼ（SOD）という酵素に存在します。<br>SODは活性酸素を分解する働きがあり、動脈硬化や糖尿病の進行を予防すると考えられます。<br></p><h2 id="he3edff2a0c">銅の消化・吸収・代謝 <sup>2)3)</sup></h2><h3 id="h62d4921350">小腸で吸収され、吸収率は60%程度</h3><p>ほとんどの銅は小腸で吸収され、肝臓に貯蔵されます。<br>肝臓でたんぱく質と結合してセルロプラスミンとなり、各組織へ運ばれて行きます。<br>ほとんどの銅は胆汁と一緒に小腸に分泌され、便に混じって排泄されます。<br>吸収率は60%程度だと考えられています。<br></p><h2 id="h0a21880d33">銅の摂取量 <sup>3)</sup></h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/4c06207899fe44f691aaf7fca02ba9bd/80b5729b-5d3c-4805-b990-cc352976270a_%E9%8A%85%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%91%82%E5%8F%96%E5%9F%BA%E6%BA%96.avif?w=585&amp;h=507" alt="鉄の食事摂取基準" width="585" height="507"><br>成人の男女で、0.7〜0.9mg/日摂取が推奨量とされています。<br>耐容上限量が定められています。<br></p><h2 id="hdb3044043a">過不足のリスク <sup>1)3)</sup></h2><h3 id="h7fbdd3c5fc">通常の食事による過剰症の心配はない</h3><p>多量に摂取した場合も排泄されるため、一部の遺伝的疾患を除き、通常の食事で過剰症になる心配は基本的にありません。<br>ただ、銅サプリメントの使用が死亡率を上昇させるという研究もあり、アメリカ・カナダの食事摂取基準をもとに耐用上限量が設定されています。<br>サプリなど健康食品の使用による健康への影響は、まだ情報収集段階です。<br>推奨量を大きく超えた銅の摂取は控えた方がよさそうです。</p><h3 id="h4d979e41c0">欠乏症は起こりにくいが、貧血のリスクがある</h3><p>健康で通常の食事を摂取できていれば、欠乏症が出ることはありません。<br>不足すると、鉄が十分でもヘモグロビンが作られないため貧血になります。<br>他にも骨がもろくなったり、髪の色素が抜けたりすることがあります。<br></p><h2 id="h722c8d4d21">銅が多く含まれる食品 <sup>1)4)</sup></h2><p>レバーや魚介類に多く含まれています。<br>様々な食品に含まれるため、特に意識しなくても不足や摂りすぎの心配はあまりありません。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/c63f7ee3d376473396219caef38bdba8/%E9%8A%85_%E4%BD%99%E7%99%BD%E3%81%AA%E3%81%97.png?w=380&amp;h=517" alt="" width="380" height="517"><br></p><h4 id="h7605dc6208">参考文献</h4><ol><li style="text-align:justify">上西一弘. 栄養素の通になる. 第4版, 女子栄養大学出版部, 2016, p.208-211.</li><li style="text-align:justify">奥恒行, 柴田克己. 基礎栄養学. 改訂第5版, 南江堂, 2015, p.212-214.</li><li style="text-align:justify">厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.</li><li style="text-align:justify">文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).</li><li><span style="color:#2c2c2c">厚生労働省. ”untitled”. </span><a style="color:#1155cc" href="https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4aj.pdf" target="_blank" rel="noopener noreferrer">https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4aj.pdf</a><span style="color:#2c2c2c">（参照 2024-05-15）</span></li></ol><p><br></p>

レバーや魚介類に多く含まれる銅。この記事では、銅の働きや、消化吸収、摂取量、多く含む食品などについて解説します。

鉄の働きを助けて血をつくり、抗酸化作用もある銅の基本を知る。

<h4 id="h0669eefa7c">目次</h4><p>　マンガンの機能<br>　マンガンの消化、吸収、代謝<br>　マンガンの摂取量<br>　過不足のリスク<br>　マンガンが多く含まれる食品10品目<br><br><br>原子番号 25のマンガン族元素で、成人の体内に約10〜20mg存在しています。<sup>3)</sup><br>土壌に含まれ、土から栄養を吸収した植物性食品に広く存在するミネラルです。<sup>5)</sup><br></p><h2 id="hdefcbb5b28">マンガンの機能 <sup>1)3)5)</sup></h2><h3 id="h5b56b78b1f">酵素を構成する</h3><p>マンガンは、アルギナーゼ、マンガンスーパーオキシドジスムターゼ（MnSOD）、ピルビン酸脱炭素酵素などを構成する成分です。<br>また、アルギナーゼをはじめ種々の酵素を活性化することも知られています。</p><h3 id="h39364303cf">三大栄養素、骨の代謝に関わる</h3><p>糖質、たんぱく質、脂質の三大栄養素が代謝される時の酵素反応に関わります。<br>骨の代謝にも関係しており、カルシウムやリンなどと一緒に骨を作ったり、分解したりします。<br></p><h2 id="h09ef535ac0">マンガンの消化・吸収・代謝 <sup>1)3)5)</sup></h2><h3 id="h84cddb48bd">小腸で吸収され、吸収率は1～5%程度</h3><p>食事で摂取されたマンガンは、胃で溶けて小腸で吸収されます。<br>吸収率は1〜5%程度ですが、鉄が欠乏するとマンガンの吸収率は増加します。<br></p><h2 id="ha40a195032">マンガンの摂取量 <sup>3)</sup></h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/2fe6852db2b3434dbafc6279537e6007/891d1151-0d9a-405b-b7f6-3d972412af63_%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%82%99%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%91%82%E5%8F%96%E5%9F%BA%E6%BA%96.avif?w=530&amp;h=524" alt="マンガンの食事摂取基準" width="530" height="524"><br>成人の男女で、3.5〜4mg/日摂取が推奨量とされています。<br>アメリカ・カナダの食事摂取基準をもとに耐容上限量が定められており、推奨量の約3倍程度とされています。<br></p><h2 id="h666ac6e062">過不足のリスク</h2><h3 id="h4dd2994157">通常の食事で過剰症の心配はない <sup>2)3)</sup></h3><p><span style="color:#2c2c2c">通常の食事で過剰摂取になる可能性は極めて低いですが、ヴィーガンのような菜食のみの特殊な食事、サプリなどの健康食品の利用で過剰が生じ、血液に含まれるマンガンの濃度が上がったという事例があります。</span><br><span style="color:#2c2c2c">疲労や倦怠感、不眠、精神障害、進行性認知症などの症状が現れます。</span></p><h3 id="hf2a2edd2e3">通常の食事で欠乏症の報告はない <sup>1)2)</sup></h3><p>幅広く植物性の食品に含まれているため、通常の食生活では欠乏は起こりにくいと言われています。<br>欠乏すると成長阻害や骨形成異常、血液凝固異常、生殖能力の欠如、脂質・糖質の代謝の異常などが症状として現れると考えられています。<br></p><h2 id="he5a941ed2d">マンガンが多く含まれる食品 <sup>1)4)</sup></h2><p>野菜や大豆製品など植物性食品に多く含まれています。<br>バランスのよい食生活を心がけていれば不足の心配はありません。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/09c4a71698494eb7a3ae8f170e215e57/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%82%99%E3%83%B3_%E4%BD%99%E7%99%BD%E3%81%AA%E3%81%97.png?w=380&amp;h=518" alt="" width="380" height="518"><br></p><h4 id="h7605dc6208">参考文献</h4><ol><li>上西一弘. 栄養素の通になる. 第4版, 女子栄養大学出版部, 2016, p.214-219.</li><li>奥恒行, 柴田克己. 基礎栄養学. 改訂第5版, 南江堂, 2015,p.214-215</li><li>厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.</li><li>文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).</li><li>吉田企世子. あたらしい栄養学, 高橋書店, 2016, p.206.</li></ol><p><br></p>

骨や栄養素の代謝に関わるマンガン。この記事では、マンガンの働きや、消化吸収、摂取量、多く含む食品などについて解説します。

酵素を作り、成長を助けるマンガンの基本を知る。

<h4 id="h0669eefa7c">目次</h4><p>　ヨウ素の機能<br>　ヨウ素の消化、吸収、代謝<br>　ヨウ素の摂取量<br>　過不足のリスク<br>　ヨウ素が多く含まれる食品10品目<br><br><br>原子番号53のハロゲン元素の一つです。<br>成人の体内に約15mg含まれており、そのうち70～80％は甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンを構成します。<sup>(2</sup><br>海藻類をよく食べる日本人は、世界でも稀に見る高ヨウ素摂取民族と言われています。<sup>（3</sup><br></p><h2 id="h4bf4674a42">ヨウ素の機能 <sup>(1</sup></h2><h3 id="h3f58eb5fd2">甲状腺ホルモンを構成し、代謝を高める</h3><p>トリヨードサイロニン（T3）やサイロキシン（T4）といった甲状腺ホルモンを構成します。<br>甲状腺ホルモンは酸素の消費を高めて代謝を促進します。<br>また、骨の形成やたんぱく質の合成、子どもの成長などにも関与します。<br></p><h2 id="hac0f56e0fd">ヨウ素の消化・吸収・代謝 <sup>(2(3</sup></h2><h3 id="h5e91f6bbc6">胃と小腸で吸収され、ほぼ全量が吸収される</h3><p>食品から摂取されたヨウ素は胃と小腸でほぼ吸収されます。<br>吸収率は高く、ほぼ全てが体内に吸収されます。<br>吸収後は甲状腺に運ばれ、甲状腺ホルモンの合成に用いられます。<br>甲状腺ホルモンから遊離したヨウ素、及び血漿中ヨウ素は最終的にその 90％ 以上が尿中に排泄されます。<br></p><h2 id="h6e00bea01f">ヨウ素の摂取量 <sup>(3</sup></h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/48093714368f4638a83284ff2c46b8fa/98219d82-9f14-40a7-ab29-b47f58fb56c6_%E3%83%A8%E3%82%A6%E7%B4%A0%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%91%82%E5%8F%96%E5%9F%BA%E6%BA%96.avif?w=573&amp;h=536" alt="ヨウ素の食事摂取基準" width="573" height="536"><br>成人の男女で、130μg/日摂取が推奨量とされています。<br>推奨量の約23倍が耐容上限量として定められています。<br></p><h2 id="h22b265e46f">過不足のリスク <sup>(1(2(3</sup></h2><h3 id="he6f0d2b962">通常の食事で過剰摂取の可能性は低いが、過剰摂取すると甲状腺に問題が起きる</h3><p>通常の食事で過剰摂取になる可能性は低いです。<br>ヨウ素が過剰になると甲状腺ホルモンが正常に作れなくなり、過剰症として喉の部分が腫れる甲状腺肥大や甲状腺腫などが症状として現れます。</p><h3 id="h43998201ea">日本人は欠乏しにくいが、過剰症と同じような症状が現れる</h3><p>通常の日本的な食生活で欠乏は起こりにくいと考えられています。<br>欠乏すると甲状腺ホルモンが正常に作られず、過剰症と同様に甲状腺肥大や甲状腺腫などの欠乏症を引き起こします。<br>成長期に不足すると知的障害や成長発達異常が起きます。<br>極端なヨウ素とセレンの不足が続くとクレチン病が症状として現れます。<br>甲状腺ホルモンの不足から、重篤な脳の未発達や成長障害が見られます。<br></p><h2 id="h529dd34060">ヨウ素が多く含まれる食品&nbsp;<sup>(1(4</sup></h2><p>ヨウ素は海水中に多く存在するため、海藻類が魚介類に豊富です。<br>魚や海苔、昆布など、伝統的な日本の海産物を食べていれば不足することはありません。<br>世界的には不足しやすい栄養素であるため、海外製の塩にはヨウ素が添加されている場合があります。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/4ba2348fd95b42a49639130c35842f81/%E3%83%A8%E3%82%A6%E7%B4%A0_%E4%BD%99%E7%99%BD%E3%81%AA%E3%81%97.png?w=380&amp;h=518" alt="" width="380" height="518"><br></p><h4 id="h7605dc6208">参考文献</h4><ol><li style="text-align:justify">上<span style="color:#2c2c2c">西一弘. 栄養素の通になる. 第4版, 女子栄養大学出版部, 2016, p.220-225.</span></li><li style="text-align:justify">奥恒行, 柴田克己. 基礎栄養学. 改訂第5版, 南江堂, 2015, p.215.</li><li style="text-align:justify">厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.</li><li style="text-align:justify"><span style="color:#000000">文</span>部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).</li></ol><p><br></p>

海藻類に多く含まれるヨウ素。この記事では、ヨウ素の働きや、消化吸収、摂取量、多く含む食品などについて解説します。

甲状腺ホルモンの主成分となる、ヨウ素の基本を知る。

<h4 id="h0669eefa7c">目次</h4><p>　<span style="color:#2c2c2c">セレンの機能</span><br><span style="color:#2c2c2c">　セレンの消化、吸収、代謝</span><br><span style="color:#2c2c2c">　セレンの摂取量</span><br><span style="color:#2c2c2c">　過不足のリスク</span><br><span style="color:#2c2c2c">　セレンが多く含まれる食品10品目</span><br><br><br>原子番号34の第16族元素の一つです。<br>食品中ではたんぱく質と結合しており、成人の体内に約13mgが存在します。<sup>(2</sup><br></p><h2 id="h795939eea6">セレンの機能 <sup>(1</sup></h2><h3 id="h407a96765a">酵素の成分となり、抗酸化機能に関わる</h3><p>グルタチオンペルオキシダーゼという、強い抗酸化作用を持つ酵素の構成成分です。<br>ビタミンCを再生する酵素や、甲状腺ホルモンの代謝に関わる酵素の構成成分でもあります。<br></p><h2 id="h16742149ad">セレンの消化・吸収・代謝 <sup>(2(3</sup></h2><h3 id="h355cc19f8d">吸収率は90%程度</h3><p>食事中ではたんぱく質と結合し、セレンアミノ酸として存在しています。<br>摂取されたセレンの約90%は吸収されると考えられます。<br>セレンがどのように吸収・利用されているかは詳しく分かっていません。<br>体内のセレン濃度調節は尿中排泄で濃度調節されていると考えられています。<br></p><h2 id="hbccc1d7021">セレンの摂取量</h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/6b03aadba3f245f29a0746dac4321095/8625255ac5ff271eb46903bf54dcc9c5.jpg?w=550&amp;h=472" alt="セレンの食事摂取基準" width="550" height="472"><br>日本人の食事摂取基準（2020年度版）では、成人の男女で、25〜30μg/日摂取が推奨量とされています。<sup>(3</sup><br>またVITANOTEで採用している栄養向上基準*では、成人の男女で、50〜250µg/日が至適量とされています。</p><h5 id="h94a5710973"><span style="font-size: 0.75em">*栄養向上基準とは、厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」に加え、ユカシカドが独自に策定した「</span><strong style="font-size: 0.75em">至適量</strong><span style="font-size: 0.75em">」を用いた、より満たされた栄養状態を目指すための基準です。</span></h5><p><br></p><h2 id="h189bd5d3e1">過不足のリスク <sup>(1(2</sup></h2><h3 id="h249e48fa9f">通常の食事で過剰症の心配はない</h3><p>通常の食事で過剰摂取になる可能性は極めて低いですが、サプリなどの健康食品の利用等で過剰が起きる場合があります。<br>脱毛や爪の脆弱化、胃腸障害、呼吸不全、神経障害、心筋梗塞、腎不全などが引き起こされることがあります。<br>必須ミネラルの中では毒性が強いため、サプリなどを使用する場合は耐容上限量に気を付けて摂取しましょう。</p><h3 id="h2d66d2f65d">日本では欠乏症が起きにくい</h3><p>セレンは魚介類に豊富なほか、土にも含まれます。<br>そのため、野菜や果物などの植物性食品及び、植物性食品を飼料として摂取した肉類は、使われた飼料の育った土地のセレン濃度に影響を受けます。<br>日本では魚介類の摂取が多いことに加え、土壌にはセレンが適度に含まれています。<br>そのため、通常の食事ができていれば不足することはまれで、欠乏症の報告はありません。<br>中国の北東部は土壌中のセレン濃度が低く、克山（こくさん、ケシャン）病の報告があります。<br>克山病は心筋症を主とした病気です。<br></p><h2 id="h7f5b5a8bee">セレンが多く含まれる食品 <sup>(1(4</sup></h2><p>魚介類に多く含まれます。<br>日本では穀類からのセレン摂取が多いと考えられています。<br>小麦粉は輸入が多いですが、同じ小麦粉でも産地によってセレンの量が大きく異なる可能性があります。<br>例えば、アメリカの土壌にはセレンが適度に含まれる一方で、オーストラリアは少なめだといわれています。<br>いずれにせよ、通常の食事を楽しめていれば不足や過剰の心配はありませんので、あまり気にしなくて良いでしょう。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/d019c4889893427c970eede01a69a808/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%83%B3_%E4%BD%99%E7%99%BD%E3%81%AA%E3%81%97.png?w=380&amp;h=517" alt="" width="380" height="517"><br></p><h4 id="h7605dc6208">参考文献</h4><ol><li>上西一弘. 栄養素の通になる. 第4版, 女子栄養大学出版部, 2016, p.226-231.</li><li>奥恒行, 柴田克己. 基礎栄養学. 改訂第5版, 南江堂, 2015, p.216-217.</li><li>厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.</li><li>文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).</li></ol><p><br></p>

魚介類に多く含まれるセレン。この記事では、セレンの働きや、消化吸収、摂取量、多く含む食品などについて解説します。

酵素の成分となり、抗酸化機能に関わる微量ミネラル、セレンの基本を知る。

<h4 id="h0669eefa7c">目次</h4><p>　<span style="color:#2c2c2c">クロムの機能</span><br><span style="color:#2c2c2c">　クロムの消化、吸収、代謝</span><br><span style="color:#2c2c2c">　クロムの摂取量</span><br><span style="color:#2c2c2c">　過不足のリスク</span><br><span style="color:#2c2c2c">　クロムが多く含まれる食品10品目</span><br><br><br>原子番号24のクロム族元素の一つです。<br>生活に関わるクロムには複数種類ありますが、栄養素として使われるのは3価（Cr3+）です。<sup>(3</sup><br>成人の体内に約2mg存在しています。主に糖の代謝に関わる栄養素です。<sup>(2</sup><br></p><h2 id="h5d5c03430c">クロムの機能 <sup>(1(2</sup></h2><h3 id="h6317c5c8ab">インスリンの働きを助ける</h3><p>インスリンは糖からエネルギーを合成し、血糖を調節するホルモンです。<br>クロムはそのインスリンの働きを増強させる役割を持つと言われています。<br></p><h2 id="h67f134dd60">クロムの消化・吸収・代謝 <sup>(2(3</sup></h2><h3 id="h2e326024cf">小腸から吸収され、吸収率は1%程度</h3><p>食事から摂取したクロムの吸収率はわずか1%程度だと考えられています。<br>クロムの吸収率は亜鉛と組み合わせると減少し、ビタミンCと組み合わせると増加します。<br></p><h2 id="h908063e622">クロムの摂取量 <sup>(3</sup></h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/31c6f9007def4eb9ab5f08f20e5d381b/38b1da1b-6272-4335-b4bd-ca4243286974_%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%91%82%E5%8F%96%E5%9F%BA%E6%BA%96.avif?w=527&amp;h=516" alt="クロムの食事摂取基準" width="527" height="516"><br>成人の男女で、10μg/日摂取が推奨量とされています。<br>耐容上限量は定められていません。<br></p><h2 id="h666ac6e062">過不足のリスク</h2><h3 id="h8fd0270349">通常の食事で過剰摂取の可能性は低く、サプリ利用は推奨されていない <sup>(1(3</sup></h3><p>余分なクロムは尿として排泄されるため通常の食事で過剰摂取になる可能性は極めて低いですが、サプリなど健康食品の利用で過剰摂取になる場合があります。<br>過剰症は調査段階ですが、インスリンの働きを低下させる可能性があると考えられています。<br>厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2020年版」ではサプリの利用を推奨していません。<br>なお、6価のクロム（Cr6+）は発がん性も指摘されている有毒物質です。</p><h3 id="h275cbef2b6">必要量がわずかなので欠乏症は起こりにくい <sup>(1(2</sup></h3><p>吸収率の低いクロムですが、必要量が少ない上に幅広い食品に含まれているため、通常の食生活ができていれば不足の心配はありません。<br>長期で食事が摂取できない状況になるなどして欠乏すると、耐糖能異常や成長障害、脂質・たんぱく質の代謝異常、高コレステロール血症などが症状として現れます。<br></p><h2 id="hd84ea832f4">クロムが多く含まれる食品 <sup>(1(4</sup></h2><p>チョコレート、砂糖、アーモンドなど手に入りやすい食品全般に含まれています。<br>あらゆる食品に含まれているため、あまり気にしなくて良いでしょう。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/f332275a4e45467bad3ffbabf57c5c4b/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%A0_%E4%BD%99%E7%99%BD%E3%81%AA%E3%81%97.png?w=379&amp;h=515" alt="" width="379" height="515"><br></p><h4 id="h7605dc6208">参考文献</h4><ol><li style="text-align:justify"><span style="color:#2c2c2c">上西一弘. 栄養素の通になる. 第4版, 女子栄養大学出版部, 2016, p.232-237.</span></li><li style="text-align:justify"><span style="color:#2c2c2c">奥恒行, 柴田克己. 基礎栄養学. 改訂第5版, 南江堂, 2015, p.216.</span></li><li style="text-align:justify"><span style="color:#2c2c2c">厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.</span></li><li style="text-align:justify">文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).</li></ol><p><br></p>

糖の代謝に関わるミネラルであるクロム。この記事では、クロムの働きや、消化吸収、摂取量、多く含む食品などについて解説します。

インスリンの働きを活性化させる、クロムの基本を知る。

<h4 id="h0669eefa7c">目次</h4><p>　<span style="color:#2c2c2c">モリブデンの機能</span><br><span style="color:#2c2c2c">　モリブデンの消化、吸収、代謝</span><br><span style="color:#2c2c2c">　モリブデンの摂取量</span><br><span style="color:#2c2c2c">　過不足のリスク</span><br><span style="color:#2c2c2c">　モリブデンが多く含まれる食品10品目</span><br><br><br>原子番号42のクロム族元素の一つです。<br>尿酸の生成や鉄の代謝に関わる栄養素です。<sup>（1</sup><br>成人の体内に約9mg含まれ、肝臓に多く存在しています。<sup>（2</sup><br></p><h2 id="h73390ec180">モリブデンの機能 <sup>(1</sup></h2><h3 id="h9601808f20">酵素や補酵素として様々な代謝に関わる</h3><p>まだ分かっていないことの多い栄養素ですが、酵素や補酵素を構成して様々な働きをしていると考えられています。<br>尿酸の生成を促したり、体内の銅の排泄や鉄の代謝、間接的には糖質の代謝や脂質の代謝にも関わります。<br></p><h2 id="hcc95ca6a59">モリブデンの消化・吸収・代謝 <sup>(1(2</sup></h2><h3 id="h9b7d53201f">胃と小腸で吸収され、吸収率は93%程度</h3><p>食事から摂取されたモリブデンは胃と小腸から吸収され、吸収率は93%だと推定されます。<br>余分なモリブデンは尿中に排泄されるため、体内のモリブデン量は一定に保たれています。<br></p><h2 id="hf4aa85cd58">モリブデンの摂取量 <sup>(3</sup></h2><p><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/683e430e6df74064b9dd1a1d130e112c/468bbf37-5b26-43cf-bdc5-9ffec1eb62ca_%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%99%E3%83%86%E3%82%99%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E6%91%82%E5%8F%96%E5%9F%BA%E6%BA%96.avif?w=570&amp;h=512" alt="モリブデンの食事摂取基準" width="570" height="512"><br>成人の男女で、25〜30μg/日摂取が推奨されています。<br>上限量が定められています。<br></p><h2 id="h189bd5d3e1">過不足のリスク <sup>(1(2</sup></h2><h3 id="hb73d54a5ec">通常の食事で過剰症の報告はない</h3><p>過剰分は速やかに尿として排泄されるため、通常の食事で過剰症が起きた例はありません。<br>また毒性が低く、モリブデンの過剰による中毒の報告もごくわずかです。<br>モリブデン中毒の研究は少ないですが、銅の吸収を阻害して銅の欠乏症である貧血が現れたり、痛風のような症状がでたりした例があります。</p><h3 id="h15b99cc231">健康な人に欠乏症が出た例はない</h3><p>これまでに健康な人に欠乏症が出た報告はありません。<br>長期間食事ができない人や遺伝的な問題により欠乏すると、視野暗転、夜盲症、眼の水晶体異常や脳・精神障害、昏睡状態等の症状が現れます。<br></p><h2 id="h0fc0048bf8">モリブデンが多く含まれる食品10品目 <sup>(3(4</sup></h2><p>納豆、えだ豆、きな粉、落花生等の豆類、レバーに多く含まれています。<br>日本の通常の食生活だと、推奨量の10倍近く摂取できると考えられています。<br>健康な人の過剰症も報告されていないので、意識して摂取する必要はあまりないでしょう。<br><img src="https://images.microcms-assets.io/assets/5af892dcd40d49d18c1cbda426c2d5b4/e24f2ef44da74c86ac7c1aa2a1932013/%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%83%95%E3%82%99%E3%83%86%E3%82%99%E3%83%B3%20(1)%20(1).png?w=380&amp;h=517" alt="" width="380" height="517"><br></p><h4 id="h7605dc6208">参考文献</h4><ol><li>上西一弘. 栄養素の通になる. 第4版, 女子栄養大学出版部, 2016, p.238-243</li><li>奥恒行, 柴田克己. 基礎栄養学. 改訂第5版, 南江堂, 2015, p.217-218</li><li>厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2020年版.</li><li>文部科学省. 日本食品標準成分表2020年版(八訂).</li></ol><p><br></p>

たんぱく質や鉄の代謝に関わるモリブデン。この記事では、モリブデンの働きや、消化吸収、摂取量、多く含む食品などについて解説します。